第101回 全国的にも珍しい百人一首絵馬
更新日:2024年4月1日
問い合わせ先:文化振興課文化財・歴史資料係
菖蒲神社の百人一首絵馬は、小倉百人一首の全歌人と歌を、かるたの読み札(絵札)のかたちで描いた全国的にも極めて珍しいものです。絵馬は3面1組の構成で、1枚あたり縦約89cm、横約185cmの大型の額に、1枚目に28首、2枚目に36首、3枚目に36首、合計100首描いています。
絵馬の1枚目には、「奉納 大々御神楽講中」とあり、この絵馬が伊勢神宮参拝の記念として伊勢講の講中により菖蒲神社に奉納されたものであることが分かります。また、「藤原守直画[印]」とあり、絵師が藤原守直であったことが分かります。
小倉百人一首には、現在歌番号が付けられていますが、この絵馬の配列を調べたところ、現在の歌番号の順番通りではないことが判明しました。また、表記についても多少異同があり、当時典拠とした小倉百人一首が現在知られているものと違っていた可能性が考えられます。
絵馬の2枚目と3枚目の裏面には、墨書銘があり、これを解読したところ「右の百人一首は、以前に奉納したが破損するに及んだので、この度太々講中を新規に催し、天明8年(1788)に修理して奉献した」ことが分かりました。また、奉納者である講中の名前が2枚目に69名、3枚目に101名、合計170名記され、世話人が8名いたこと、墨書銘を記したのが道祖土(さいど)三郎左衛門貞栄で、絵馬を修理した細工人が辻幸八であったことが分かりました。
このような絵馬が奉納されたのは、菖蒲町が見沼代用水路による通船で江戸との交流があり、百人一首を遊び楽しむ風潮が早くからあったためと考えられます。
百人一首絵馬(1)
百人一首絵馬(2)
百人一首絵馬(3)
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