第172回 木造裸形阿弥陀如来立像(もくぞうらぎょうあみだにょらいりゅうぞう)

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ページ番号1012941  更新日 2026年5月20日

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 菖蒲町小林の正眼寺(しょうげんじ)が保管するこの仏像は、全国的に類例の少ない裸形阿弥陀像(衣服をまとっていない裸の阿弥陀像)です。像高は66.6cm、臂張(ひじばり)(肘(ひじ)の幅の寸法)は20.8cmあります。穏やかな表情を浮かべる和様の来迎(らいごう)阿弥陀立像で、体はなで肩でやや肉付きがよく、胸は偏平(へんぺい)で下腹厚く、丸々とした太腿(ふともも)を細めの足首が支えています。側面から見ると猫背気味で、わずかに腰を落として足を開き気味に立つ姿は、裸形像に多く見られる「かたち」といえます。

 裸形阿弥陀像は鎌倉時代から室町時代にかけていくつか造像例があり、県内では、旧所沢辻堂伝来裸形阿弥陀立像(県指定・白岡市興善寺(こうぜんじ)蔵)が知られています。鎌倉時代の美作で、この時代を中心に活躍した慶派(けいは)系仏師による13世紀中頃は降(くだ)らない頃の製作とみなされる像です。それに比べると、本像は様式表現や立体構成に類型化がみられ、いささか鄙(ひな)びた造形がうかがえることから室町時代頃にはいってからの造立と考えられています。

 元々は菖蒲町柴山枝郷字神ノ木(かみのき)の常観堂(じょうかんどう)の本尊でしたが、現在は本寺の正眼寺に保管されています。像の伝来、堂の沿革は不詳です。堂は別に「阿弥陀堂」、「知足庵(ちそくあん)」とも呼ばれていました。

 平成10年2月20日に菖蒲町指定有形文化財となり、合併後は久喜市指定有形文化財となっています。

 近年、仏像の表面を覆っていた後世の厚塗りの補修に、ひび割れ・剥落がみられ、今後も進行すると予測されたことから、昨年度修理を行いました。これにより本像は、造像当初の形に復され、また円光背(えんはいこう)も付け加えられ面目を一新しました。これからも私たちの大切な文化財として守り伝えていきたいですね。

もくぞうらぎょうあみだにょらいりゅうぞう
木造裸形阿弥陀如来立像

このページに関するお問い合わせ

教育部 文化振興課 文化財・歴史資料係
〒340-0295 久喜市鷲宮6丁目1番1号
電話:0480-58-1111 ファクス:0480-31-9550
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