第163回 吉羽天神社(よしばてんじんじゃ)の獅子舞
7月になると、市内では、久喜提燈祭り「天王様」をはじめとする山車行事や神楽など、さまざまな伝統芸能が開催されます。中でも、獅子舞は、疫病(えきびょう)退散・厄除(やくよ)け祈願のほか、雨乞(あまご)い、五穀豊穣(ごこくほうじょう)への祈願などを目的に、現在、7地区の獅子舞が伝えられています。
久喜地区では、「除堀」「古久喜」「吉羽天神社」の獅子舞があり、今回は、吉羽天神社の獅子舞を紹介します。
吉羽天神社の獅子舞は、毎年7月25日の直前の日曜日に例大祭として、奉納される獅子舞です。
令和6年は、7月21日に開催され、当日は地元の方をはじめ多くの方が獅子舞を見に来られました。
天神社の獅子舞は、言い伝えによると約250年前に京都より神勅(しんちょく)(獅子舞の奉納を許可するとの免許状)を受け、始められたといいます。
祭りの当日は、当番が神社に出向き神様にお供え物をして、その後、宮司(ぐうじ)を招いて本殿にて祭典を行います。祭典終了とともに獅子舞の行列が拝殿前に勢ぞろいし、神社境内で舞を奉納します。
神社での舞の奉納が済むと、宮司を先頭に天狗、獅子(大獅子(おおじし)、雄獅子(おじし)、雌獅子(めじし))の順に行列を組み、吉羽地区を巡回する村廻りが行われます(令和6年の村廻りは行われませんでした)。
このように、現在に引き継がれる吉羽天神社の獅子舞ですが、戦後、後継者不足等の理由により、一時その継承が途絶えました。しかし、昭和37~38年(1962~1963)頃に行われた獅子舞を録音したテープと近隣の獅子舞を参考に、地元の方の熱意により、昭和57年(1982)頃に復活されることになりました。
現在、全国的に、獅子舞などの無形民俗文化財は、高齢化や若者人口の減少等による担い手不足などの理由から、伝統芸能の継承が大きな課題となっています。
このような中で、一度中断して復活した吉羽天神社の獅子舞は、担い手不足等で悩む全国の無形民俗文化財の参考になるのではないでしょうか。

このページに関するお問い合わせ
教育部 文化振興課 文化振興係
〒340-0295 久喜市鷲宮6丁目1番1号
電話:0480-58-1111 ファクス:0480-31-9550
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。