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第23回 江戸時代初期の建築状況を伝える旧医王院薬師堂棟札

更新日:2018年7月25日

古い建物がいつ建てられたのか、具体的な特定は難しい作業です。ただし、建物の棟札(むなふだ)が残されていた場合、特定できます。棟札とは、建物の新築や修理の際、記録として建物の棟木(むなぎ)に打ちつける木の札です。棟札には建築年月日や目的、施主、大工のほか、寺院や神社の場合には祈願内容などが記されていることもあり、建築時期以外にも多くの情報を得ることができます。

市内に残る棟札の中でも古いものの一つに、旧医王院薬師堂棟札があります。医王院は除堀地区にかつて存在していた新義真言宗(しんぎしんごんしゅう)の寺院で、戸ヶ崎(とがさき)村(現菖蒲町菖蒲)の吉祥院(きちじょういん)の末寺でした。山号(さんごう)は、江川山で、大日如来(だいにちにょらい)を本尊としていました。

医王院は明治3年(1870)に廃寺となりましたが、付属の薬師堂はその後も残されてきました。昭和54年の改修の際に2点の棟札が発見され、大きい方の棟札の記述によると、薬師堂はそれまであったものを慶長13年(1608)に建て替えたものでした。忍田主斗(おしだかずえ)や細井弾正(ほそいだんじょう)など援助を行ったと考えられる約50人の名前が確認できます。小さい方は梵字(ぼんじ)や人名などが書かれていて、大きな棟札に付属するものと考えられます。

薬師堂は改修によって屋根や外壁などが新しくなっていますが、構造そのものは建築当時の姿を残していると考えられます。建物と棟札の両方ともに残されている例としては埼玉県東部でも最古級とされており、棟札2点は市の文化財に指定されています。

棟札は同じ除堀地区の不動寺(ふどうじ)が管理していましたが、今年度から郷土資料館でお預かりすることになりました。

現在、郷土資料館で開催中の第3回企画展「新しい久喜のたからもの-新収蔵資料展-」でこの棟札を展示しています。この機会に貴重な文化財をぜひご覧ください(平成25年11月10日まで)。

写真 旧医王院薬師堂棟札
旧医王院薬師堂棟札

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