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第119回 鷲宮神社に伝わる棟札(むなふだ) 「社殿文禄(ぶんろく)四年再興(さいこう)棟札」

更新日:2024年4月1日

問い合わせ先:文化振興課文化財・歴史資料係

 皆さんは「棟札」をご存じでしょうか。棟札とは建物を新築又は改築、改修をした際、工事に携わった人の名前や年号などを記した板のことで、建物の棟木(むなぎ)に打ち付けられます。社寺では長い年月の間に度々改修が行われるため、多くの棟札が残っていることがあります。
 鷲宮神社では61点の棟札が確認されており、そのうち最古のものが文禄4年(1595)の「社殿文禄四年再興棟札」で、埼玉県指定文化財に指定されている「鷲宮神社文書」に属する1点です。
 この棟札は文禄4年に当時の神主大内泰秀(おおうちやすひで)が社殿の再興を行った際の棟札ですが、2本の横線が引かれ、板が3段に分かれています。上段には正応(しょうおう)5年(1292)の鎌倉幕府執権(しっけん)北条貞時(ほうじょうさだとき)による再興、中段には応安(おうあん)5年(1372)の下野国(しもつけのくに)守護(しゅご)小山義政(おやまよしまさ)による再興の記録が記されており、これらの記録は、 文禄4年よりも前の棟木銘(棟木に直接記したもの。棟札よりも古い形式)または棟札を写しとったものだと考えられています。下段から裏面全体にかけては、文禄4年の再興について詳しく記されており、工事の関係者や年号だけでなく、社領に関する説明や修復の際に寄進された金品についても記されています。また、今回の修復ではそれ以前とは異なり、神主である泰秀自身が力を尽くして社殿再興を行ったことを強調する記述もあります。江戸幕府が開かれる直前に行われた社殿再興の棟札である本資料は、鷲宮神社の社殿造営における中世から近世への時代の転換を物語る、貴重な資料といえるでしょう。


社殿文禄四年再興棟札(文禄4年) 左:表面、右:裏面 ※鷲宮神社所蔵、郷土資料館寄託

久喜市立郷土資料館

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電話:0480-58-1111 Eメール:bunka@city.kuki.lg.jp
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