第99回 神明神社(しんめいじんじゃ)のオヒタキ

更新日:2024年4月1日

問い合わせ先:文化振興課文化財・歴史資料係

 菖蒲町上栢間(かみかやま)にある神明神社では2月14日前後の日曜日にオヒタキが行われます。
 オヒタキとは鎮火祭のことで、防火防災を祈願する意味が込められています。拝殿で祭典を行った後、境内に用意した薪に火を点け、焚き火の前で宮司が祝詞(のりと)を奏上します。その後、氏子たちが手拍子を打ちながら焚き火の周囲を回ります。かつては、上半身裸の若者たちがスクラムを組むようにもみ合いながら、焚き火の周囲を回ったといいます。また、オヒタキは養子や嫁に来て新しく氏子になった者が氏子入りをする場でもありました。
 以前はオヒタキとともに筒粥(つつがゆ)の占いも行われていました。これは鉄鍋に入れた米と筒状の葦(あし)を焚火で一緒に炊き上げ、一晩置いた後、筒の中に入った米粒の数でその年の作物の豊凶(ほうきょう)を占うものです。占う作物は17種類あり、大麦や菜種などの農作物だけでなく、蚕(かいこ)も対象に含まれており、その土地で生産されてきたものの歴史をうかがい知ることができます。
 オヒタキや筒粥の占いの起源は定かではありませんが、江戸時代後期に編纂された地誌『新編武蔵風土記稿(しんぺんむさしふどきこう)』によると「正月十四日筒粥の神事を行ひて年の豊凶を占を以例祭とす」とあり、古くから行われていたことがうかがえます。元来は1月14日・15日の祭日に行われていましたが、改暦によって2月14日・15日に変わり、現在の日程で行われるようになりました。


神明神社のオヒタキ

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