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平成31年度施政方針(平成31年2月12日)

更新日:2019年2月12日

 梅田修一市長が、市議会平成31年2月定例会において、平成31年度施政方針演説を行いましたので掲載します。

施政方針全文

 本日、久喜市議会平成31年2月定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様にはご健勝にてご参会を賜り、平成31年度予算案をはじめ、当面する市政の重要課題につきまして、ご審議いただきますことに感謝申し上げます。
 それでは、本定例会における諸議案の説明に先立ち、平成31年度の市政運営に関する基本的な考えを申し述べさせていただきますとともに、予算案の編成方針についてご説明申し上げます。

 今日の我が国における経済状況は、平成24年12月の第2次安倍内閣発足以降、経済政策「アベノミクス」により、緩やかながら着実な景気の拡大期が続き、一部報道によりますと、平成30年12月に「戦後最長期間に並んだ可能性が高い」との見解が示されたところでございます。
 その後も景気の拡大期は継続していると見られており、本市における税収も近年増加の傾向にありますが、本年10月に消費税率が10パーセントに引き上げとなることによる経済への影響が懸念されるところであり、本市といたしましては、経済状況を注視しながら、引き続き事業の選択と集中を行い、限られた財源の中で、より効率的で効果的な政策の展開が必要となるものと考えているところでございます。
 こうした中、昨年を振り返りますと、平昌(ピョンチャン)オリンピック・パラリンピックにおいて日本代表選手が大活躍されたことをはじめとし、本市の親善大使であります川内優輝選手のボストンマラソン優勝の快挙や、本市と連携協定を締結している埼玉西武ライオンズの10年ぶりのリーグ制覇など、スポーツの分野において大いに盛り上がり、本市にゆかりのある選手やチームの活躍に感動や活力をいただいた年でありました。
 また一方では、西日本豪雨や北海道胆振(いぶり)東部地震など、自然の脅威を痛感させられる年でもありました。
 私は、昨年4月25日に久喜市長に就任し、次代を担う子どもたちからお年寄りまで、あらゆる世代が「ずっと久喜市に住み続けたい」と思えるような、より魅力のあるまちづくりの実現に向けた取り組みに邁進してまいったところでございます。
 具体的に申し上げますと、埼玉県一おいしい学校給食を目指して、学校給食調理施設の整備方針を決定し、地産地消の積極的な推進や食物アレルギー対応食の実施について重点的に取り組むこととしたほか、菖蒲地区内において整備を計画しております、新たなごみ処理施設及び(仮称)本多静六記念 市民の森・緑の公園用地における盛土工事に着手したところでございます。

 平成31年度は、私の市長としての任期が2年目となりますことから、着実にステップアップを図ってまいりたいと考えており、私の公約であります「まちのつくり方改革」に基づく新たな政策にチャレンジするとともに、直面する人口減少、少子高齢化の進行に対しまして「久喜市をもっと良くする」という強い意志を貫き、全身全霊で市政運営に取り組む決意でございます。
 また、久喜市は合併から10年目の節目の年となりますことから「久喜市合併10周年記念式典」の開催をはじめ、様々な記念事業を市民の皆様と共に実施してまいります。そうした中で、これまでの歩みを振り返るとともに、更なる郷土愛や本市への愛着心の醸成を図ってまいりまして、市内各地区の市民の皆様と行政が一体となり「オール久喜」の体制でまちを活性化し、未来を見据えたまちづくりを推進してまいりたいと考えているところでございます。
 私は、昨年の6月定例会において所信として述べさせていただいたとおり、「久喜市総合振興計画」をはじめとする本市の諸計画の良い部分はしっかりと継承しつつ、必要な改革に取り組んでまいりたいと考えており、これまでに「まちのつくり方改革」につきましては、全ての政策における取り組みの方向性が「久喜市総合振興計画」に示される本市の目指す方向性に一致していることを確認したところでございます。
 このような中、平成31年度は、市長として初めて予算編成から執行までを行うこととなりますことから、予算編成にあたりましては、公約であります「まちのつくり方改革」の実現に向けた熱い思いを込めつつ「久喜市総合振興計画」に基づき行ってきたところでございます。
 さらに、新年度のスタートにあたり組織機構改革を実施し、安心して子どもを産み育てることができるまちづくりを推進するため「健康・子ども未来部」を設置するほか、公共施設の適正な管理及び活用を推進するため「アセットマネジメント推進課」を設置いたします。
 また、本市の魅力的な観光資源や商工業を活用し、新たな久喜ブランドを創造するとともに、ふるさと納税のさらなる拡充を図るなど、本市の魅力発信と賑わい創出に一体的に取り組む「久喜ブランド推進課」の設置等の新たな事務執行体制を構築いたしまして、本市の重要課題に挑んでまいります。

それでは、はじめに「まちのつくり方改革」の実現に向け、平成31年度に取り組んでまいります政策について、9つの基本方針に沿ってご説明申し上げます。

 1つ目といたしまして、「東京一極集中を是正し、若者の定住促進、活躍の場を創出」についてでございます。
 現在の人口減少社会において、地方では、将来にわたり活力ある社会を維持していくため住みよい環境を確保するなど、人口の流出に歯止めをかけるための取り組みが急務となっております。
 本市においても、人口減少と少子高齢化の傾向が続いており、これまで定住促進をはじめとした人口減少対策に取り組んでいるところでございまして、近年では社会動態が増加傾向となるなどの効果が見られますが、自然動態は依然減少が続いている状況でございます。
 こうした状況を踏まえ、少子化の解消に向けた取り組みといたしまして、産婦人科医療機関開業支援を実施いたします。
 分娩を扱う医療機関を市内に開設、または再開した事業者に対し補助金を交付し、子どもを産む環境整備に取り組んでまいりまして、若い世代に選ばれる魅力的なまちづくりを推進いたします。
 また、結婚を希望する市民の方々に対する婚活支援といたしまして、婚活事業を行う団体の支援を行うとともに、埼玉県、市町村、企業等により構成する「SAITAMA(さいたま)出会いサポーター協議会」に参加することにより、出会いの機会を拡大するなど婚活支援の充実を図ってまいります。
 なお、昨年12月に近隣の3市3町において、婚活支援に関する協定を締結したところでございまして、より一層の広域的な枠組みにおいて連携を図り、婚活支援に取り組んでまいります。

 2つ目の「土地の高度利用促進、駅前市街地の整備」でございます。
 市内には5つの鉄道駅があり、それぞれの駅前周辺には市街地が形成されております。
 これらの市街地は、それぞれの地域の特性に応じ発展し今日に至っているところですが、良好なインフラが整っていても十分な土地活用が図られていない箇所があり、このような箇所において地域の潜在力を引き出し更なる活性化に向けた取り組みを進めることが必要であると考えております。
 具体的には、久喜駅東口において、周辺の用途地域の見直しや、東口のまちづくりに係る検討を行います。
 さらに、未利用の宅地が広く残る南栗橋駅西口の南栗橋8丁目を中心とする地域において住宅供給を誘導し若い世代の定住促進を図るため、また、東鷲宮駅西口の西大輪1丁目から5丁目において、駅と県道さいたま栗橋線に隣接する立地上のポテンシャルを引き出し、商業を中心とした住宅系市街地を実現するために、用途地域等の都市計画の見直しについて検討してまいります。

 3つ目の「圏央道ジャンクションを中心に物流拠点としてのインフラ整備」でございます。
 国において整備が行われている圏央道の約9割が開通し、東名高速道路から東関東自動車までの6本の高速道路が圏央道を介して結ばれ、新たな高速道路ネットワークがもたらされたことにより、本市を含む沿線地域においては、目的地への移動時間の大幅な短縮が図られ、物流拠点や工場、また大規模小売店舗などの企業立地が進んでいるところでございます。
 本市におきましては、主に圏央道白岡菖蒲インターチェンジの周辺において産業基盤整備を行うとともに企業立地を推進し、雇用の増加など地域の活性化を図ってきたところですが、圏央道久喜白岡ジャンクションを中心として俯瞰しインフラ整備を推進することにより、本市の土地利用の可能性がより一層広がっていくものと考えているところでございます。
 このようなことから、圏央道を核とし、本市の広域道路ネットワークを構築する取り組みのひとつといたしまして、現在、久喜駅東側地域において実施している久喜東停車場線の延伸整備を推進するとともに、圏央道との結節点にスマートインターチェンジを設置すること等について検討してまいります。

 4つ目の「久喜市で新たなビジネスに挑戦する起業家支援、女性の創業支援」でございます。
 本市に立地する企業のうち中小企業・小規模企業の割合は90パーセントを超えており、市内経済と雇用を支えるだけでなく、地域活動や賑わいの創出など、地域の活性化にとって欠かすことができない存在であります。
 このため、中小企業等について、持続的な振興に関する取り組みを総合的かつ計画的に推進するため、平成31年度から5年間を計画期間とする「久喜市中小企業・小規模企業振興基本計画」を策定しているところでございます。
 平成31年度は、新たなチャレンジを支援する取り組みとして、意欲のある起業家や中小企業者を発掘し、久喜市内をビジネス拠点としていただける起業家を全国から募集するビジネスコンテストを実施いたします。
 また、公共施設や空き店舗を活用して実施する、起業家の育成やインキュベーションビジネスについての検討を行ってまいります。
 さらには、より多くの事業者を支援するため、商工会が実施する小規模事業者の販路開拓等に対する支援事業について、助成を拡充してまいります。
 このように、地域経済の基盤をなす中小企業者や起業家が活躍していくことは、より一層、本市に賑わいをもたらすものと考えますことから、今後も、新たな取り組みを、引き続き実施してまいります。
 
 5つ目の「市民ランナーの聖地化などスポーツ振興策を推進」でございます。
 スポーツやレクリエーション活動につきましては、健康や体力づくりのみならず、明るく活力に満ちた地域社会の形成に重要な役割を担っており、ラグビーワールドカップ2019日本大会や、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控え、今後、スポーツへの関心が益々高まっていくものと考えております。
 特に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会においては、競技大会を身近に感じていただくため、聖火リレーの誘致が方法の一つであると考え、埼玉県に対し、本市を通過するルートを選定していただくよう要望しております。
 今後も、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会への気運を醸成することや、次代へのレガシーを創出することを目的として、本市に縁のある大会参加選手を応援する取り組みを行うほか、大会に参加する選手団や競技チームが実施する事前キャンプの誘致に向けた取り組みも実施してまいります。
 本市のさらなるスポーツ振興を図るため、多くの市民が参加できるランニングイベントや、より充実した久喜マラソン大会の開催、久喜市らしい魅力あふれる事業を行い、全国各地からランナーを呼び込むことで、引き続き、市民ランナーの聖地化に取り組んでまいります。
 また、運動しながら防犯活動が可能なランナーパトロールを実施してまいります。
 さらに、市民の皆様が快適にスポーツやレクリエーション活動が実施できますよう、鷲宮運動広場の公衆トイレを整備するとともに、これまで整備を進めてまいりました、(仮称)菖蒲運動公園の完成を目指してまいります。

 6つ目の「シティセールスを推進し、久喜市の魅力を世界に発信」でございます。
 本市には、関東一と言われる久喜提燈祭りをはじめとした各地区の祭り、郷土の偉人である本多静六博士、静御前の墓などの貴重な歴史資源、鷲宮神社が登場するアニメ「らき☆すた」など、数多くの魅力を有しており、これらの地域資源を最大限活用し、地域資源のブランド化、賑わいの創出を図ってまいりたいと考えております。
 そのための取り組みのひとつとして、栗橋宿や栗橋関所等をテーマとしたブックレットの作成や、埼玉県や周辺自治体と連携した日光街道六宿のスタンプラリーの実施などを通して、郷土に対する愛着心の醸成を図るとともに、栗橋を「歴史のまち」として認識していただけるよう、市内外にその魅力を発信してまいります。
 さらに、2019年版「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」にて2年連続認定されるなど、「らき☆すた」は本市にとりましても重要な観光資源となっておりますことから、世界に誇るアニメの聖地として、本市をPRしていくため、合併10周年記念事業として、「らき☆すた」関連頒布品を作成および頒布することにより、交流人口の拡大に取り組んでまいります。

 7つ目の「全ての子どもたちにチャンスのある教育環境を整備」でございます。
 平成29年における本市の合計特殊出生率は1.17と全国平均を下回っている状況でございます。また、本市の人口は緩やかな減少傾向で推移し、年少人口及び生産年齢人口の比率も減少していくことが見込まれています。
 社会経済環境がこれまで以上に変化することが予想される中においては、子どもをとりまく環境の変化を踏まえながら、更なる子育て支援や施設整備を行い、本市の将来を担う子どもたちの教育環境を徹底して整えていくべきものと考えております。
 このような中、本市では、家庭環境などが原因で、学習習慣が身についていない中学生に対し、学習意欲の向上、学習習慣の確立や学力の定着を図るため、放課後学習支援「くき本樹塾」を実施し、平成30年度から市内全中学校に拡大しているところであり、引き続き行ってまいります。
 また、グローバル化が進展する社会において、子どもたちが英語によるコミュニケーション能力を着実に身に付けていくため、小学校3年生から実施している英語教育を充実してまいります。
 さらには、子育てをされている方への経済的負担を軽減するため、小学校、中学校、特別支援学校の小学部・中学部に在籍している児童生徒が3人以上いる保護者を対象に、3人目以降の学校給食費について全額補助を行ってまいります。
 学校施設の面につきましては、老朽化した校舎の改造や、トイレを清潔で使いやすいものにするなど、児童生徒が安全で快適に過ごせるよう整備してまいります。

 8つ目の「農業の6次産業化を図り、観光農園の整備を促進」でございます。
農業に関しましては、農業の担い手確保が重要であります。
 新たな就農希望者が、就農できるための研修や支援を行うとともに、就農初期段階の経営が不安定な次世代を担う農業者への積極的な支援を行うため、明日の農業担い手育成塾を開設し、農業後継者の育成や多様な担い手の確保・充実に努めてまいります。
農家の後継者や新規就農者の不足等の課題がある一方で、農業ビジネスの可能性が見直され始めています。
 本市におきましては、大消費地である都心近郊に位置するとともに、東北道や圏央道のインターチェンジを有した交通アクセスに優れており、梨やいちごなど豊かな地域資源にも恵まれております。
 このような本市の持つ立地特性を十分に生かし、若者にとって魅力的な職業となるよう、生産、出荷だけでなく、加工、販売、観光にわたる農業の6次産業化やブランド化など、「稼げる農業」の実現に向けた取り組みを推進してまいります。

 最後に9つ目の「シニア世代が更に輝き、活躍する久喜市を創造」でございます。
 高齢化の進行は、労働力の減少や社会保障費の増大など、悲観的に捉えられておりますが、高齢者の多くは元気でアクティブであり、地域の発展に寄与していただける方々が増えるといったように、肯定的に考える必要があると思います。
 一方、日本の平均寿命は年々伸び、高齢期も長くなっており、長くなった高齢期をいきいきと暮らすためには、健康を保ち、地域活動、生涯学習やスポーツなどの様々な分野において、高齢者が活躍できる場や仕組みが求められます。
 本市におきましては、地域でのボランティア活動、スポーツや文化活動も活発に行われておりますことから、さらなる活躍促進にむけた環境整備に取り組んでまいります。
 私は、市民一人ひとりの皆様が生涯にわたって活躍していただくためには、その前提となる、皆様の健康を少しでも長く保っていただくことが、重要であると考えています。
 このようなことから、新たに成人歯科健康診査を実施し、歯や口腔の疾患の早期発見、早期治療につなげてまいります。
 さらには、庁内プロジェクトチームを立ち上げ、あらゆる世代を対象にした様々な健康づくりの取り組みを検討するとともに、行政と市民の皆様および関係団体等が一体となり、健康寿命の延伸を図っていく決意と方針を明らかにする「(仮称)健康都市宣言」を制定いたします。

 以上、平成31年度の市政運営に関する基本的な考えといたしまして、公約「まちのつくり方改革」の実現に向け取り組んでまいります政策についてご説明申し上げました。
 私は、これらの政策の実現とともに、行政サービスを安定的かつ継続的に提供できるよう、持続可能な行政運営を行っていくことが重要であると考えております。
 そのためには、より強固な財政基盤の確立が必要不可欠でありますことから、政策の推進にあたっては、自主財源の確保や国・県の補助金等を活用することに加えて、より有利な地方債を活用するため、新市基本計画の延長についても取り組んでまいります。

【平成31年度 予算編成の基本方針】
 続きまして、平成31年度の予算編成にあたっての基本方針について申し上げます。
 はじめに、国の予算についてでございます。
 平成31年度の国の一般会計予算案は、予算規模にして101兆4,571億円、対前年度比3.8%増と、過去最大規模であった平成30年度予算額を、さらに上回っております。
 安倍内閣は、この予算は、新経済・財政再生計画で位置づけられた、社会保障改革を軸とする基盤強化期間の初年度となる予算であり、予算編成にあたっては、同計画に基づいて、歳出改革等に着実に取り組むものとしております。
 予算案のポイントとしましては、全世代型の社会保障制度への転換に向け、消費税増収分を活用した、幼児教育の無償化、社会保障の充実や消費税率の引き上げによる経済への影響の平準化に向けた十分な支援策、東日本大震災、熊本地震をはじめとする災害に対して、重要インフラの緊急点検の結果等を踏まえた防災・減災・国土強靭化のための緊急対策を、3年間で集中的に実施する措置などを講じております。

 次に、地方財政についてでございます。
 平成31年度地方財政計画では、地方交付税等の一般財源総額について、平成30年度を0.6兆円上回る62.7兆円が確保されております。
 前年度と比較すると、地方税が1.9%、0.7兆円の増収となり、地方交付税総額については、1.1%、0.2兆円増の16.2兆円を確保するとともに、臨時財政対策債については、大幅に抑制し、18.3%、0.7兆円の減となっております。
 また、幼児教育の無償化に係る経費について、地方負担分を措置するための臨時交付金、消費税引き上げに伴う需要の平準化のために実施される、自動車税及び軽自動車税の環境性能割の臨時的軽減による減収分を補てんする地方特例交付金や、防災インフラの整備を推進するための新たな緊急自然災害防止対策事業費などが措置されております。
 このように、地方が人づくり革命の実現や防災・減災対策等に取り組みつつ、安定的に財政運営を行えるよう、地方交付税をはじめとする一般財源が確保されているところでございますが、地方財政は、国の政策によっても影響を受けますことから、常にその状況を注視してまいります。

(予算概要)
 それでは、本市の平成31年度当初予算案の概要についてご説明申し上げます。
 平成31年度当初予算案は、「久喜市総合振興計画」に掲げた将来像の実現及び「まちのつくり方改革」の基本方針の達成に向けた重点的な予算配分を基本とし、埼玉県東北部の中心となる都市として、さらなる発展を遂げるための予算案でございます。
 歳入の根幹をなす市税は、内閣府が公表した平成30年12月の月例経済報告によれば、景気のゆるやかな回復基調による増収要因があるものの、普通交付税につきましては、平成31年度が合併算定替の期間の最終年度となることから、今後はさらに歳出面での効率化が求められるなど、本市の財政状況は、厳しさを増していくものと考えております。
 このため、平成31年度の予算編成にあたりましては、これまでの取り組みや成果等を踏まえながら、事業の優先性、重要性、効果等を十分に検証するとともに、創意工夫による自主財源の確保、既存事業を改善する優れた手法の追求、スクラップ・アンド・ビルドの徹底などに積極的に取り組むことを、基本方針としたところでございます。
 その結果、一般会計の予算規模は、総額で511億6,000万円、前年度比12億4,700万円、2.5%の増となっております。
 この主な要因といたしましては、液状化対策工事箇所の舗装本復旧工事等を実施する液状化対策推進事業、待機児童の解消に向け、保育施設の整備を支援する私立保育所等施設整備費補助事業、消費喚起による地域経済の活性化を図る合併10周年記念 プレミアム付商品券発行事業などの増額によるものでございます。
 また、特別会計につきましては、介護保険特別会計及び後期高齢者医療特別会計は、被保険者数の増等により増額となっているものの、国民健康保険特別会計では、被保険者数の減等により、予算額が減少するなど、特別会計全体の合計では、290億6,080万円、前年度比4億290万円、1.4%の減となっております。
 企業会計につきましては、水道事業会計は、55億8,778万8千円、前年度比1億8,512万円、3.4%の増、下水道事業会計は、62億9,141万3千円、前年度比4億3,826万4千円、6.5%の減となっております。
 次に、一般会計の歳入の状況について申し上げます。
 市税につきましては、固定資産税が家屋の新築・増築の増加傾向を受けて増額を見込むとともに、個人市民税や法人市民税は、景気のゆるやかな回復の影響により、個人市民税所得割や法人税割を増額と見込むなど、対前年度比3.0%増の228億6,150万5千円を見込んでおります。
 地方交付税につきましては、合併算定替による加算分が90%減となること及び平成30年度交付決定額等から、対前年度比1.4%減の43億1,808万3千円を見込んでおります。
 市債につきましては、交付税総額の不足を補てんする臨時財政対策債のほか、防災行政無線デジタル化更新事業やあおばっこクラブ移転改修事業などの普通建設事業の財源として、対前年度比33.4%減の31億8,820万円を計上しております。
 これは、平成31年度の元金償還予定額、約44億4,000万円を大きく下回っており、歳入に占める市債の割合であります、市債依存度も6.2%と、3.4ポイント改善しております。
 財政調整基金につきましては、対前年度比19.3%減の20億9,680万2千円を取崩したほか、東日本大震災復興交付金基金や場外発売場環境整備基金を取り崩すなど、基金の有効活用に努めております。

(歳出における重点施策)
 続きまして、歳出における重点施策につきまして、新規及び拡充事業を中心に、総合振興計画の大綱ごとに、順次ご説明申し上げます。
 まず、大綱の1つ目は、「市民が参加し、地域コミュニティ豊かなまち」についてでございます。
 市民の皆様が主役となり、魅力あふれる地域づくりを進めるため、市民団体が自ら企画・提案・実施する地域提案型の活動に対して、新たに財政支援を行ってまいります。
 合併10周年記念 協働のまちづくり講演会事業につきましては、「協働のまちづくり」を推進するため、協働や市民参加の意識を高めることを目的とした講演会を開催いたします。
 女性の市政参加の機会を提供し、女性の視点による意見、提案などを市政に反映するため、女性議会を開催いたします。
 市民の皆様の暮らしに関わる必要な情報を積極的に発信する広報紙につきましては、更なる充実を図るため、掲載内容やデザインをリニューアルし、全ページカラー化するとともに、月1回の発行にいたします。
 
 続きまして、大綱の2つ目は、「自然とふれあえる、環境に優しいまち」についてでございます。
 コウノトリをはじめとした野鳥のえさ場を作り、動植物の生態系の確保に向けた実証実験を行うため、栗橋地区のほ場にふゆみず田んぼを整備し、野鳥のえさとなる水田内の生物量の調査を行ってまいります。
 ポイ捨て等及び路上喫煙防止対策事業につきましては、良好な地域環境の保全と創造の取り組みとして、新たに東鷲宮駅周辺を路上喫煙禁止区域に指定するとともに、駅の東西口に喫煙所を設置いたします。
 賑わい創出プロジェクト事業につきましては、新しいごみ処理施設と(仮称)本多静六記念 市民の森・緑の公園を一体的に整備し、賑わいの創出を図るための「賑わい創出プロジェクト基本方針」を策定いたします。
 電気自動車等普及促進事業につきましては、地球温暖化の防止及び大気汚染の改善を図り、また災害発生時、非常用バッテリーとしても活用可能な電気自動車等の購入に対する新たな支援を行ってまいります。

 続きまして、大綱の3つ目は、「子どもから高齢者まで、誰もが健康で安心して暮らせるまち」についてでございます。
 新生児聴覚検査費助成事業につきましては、聴覚障がいは、早期に発見し、適切な治療や支援を受けることにより、言語発達等を促すことができることから、検査費用の一部を助成いたします。
 産後ケア事業につきましては、産後の心身ともに不安定な時期に、家族等から十分な支援を受けられない母子を対象に、新たに医療機関への宿泊や通所による、母親の心身のケアや育児指導・相談等の支援を行ってまいります。
 待機児童の解消に向けて、保育所等の利用定員の拡大を図るため、私立保育所等の施設整備を行う事業者を公募し、新規創設や増改築などに係る費用の一部を助成いたします。
 保育士等人材確保支援事業につきましては、市内の保育所等を運営する事業所が、保育士等を雇用した際に支給する就労のための支援金に対して、新たに助成いたします。

 続きまして、大綱の4つ目は、「心豊かな人材を育み、郷土の歴史文化を大切にするまち」についてでございます。
 英語教育指導事業につきましては、引き続き、小・中学校における英語教育の充実及び国際理解教育の推進を図ってまいります。さらに、中学校卒業段階での英語検定3級以上の合格率70%達成を目指して、新たに市内の全ての中学3年生の英語検定試験の受験料を助成いたします。
 小学校トイレ改修事業につきましては、三箇小学校のトイレを衛生的で使い易い環境に整えるために、トイレ改修工事に向けた設計業務委託を実施いたします。
 中学校大規模改造事業につきましては、老朽化した太東中学校校舎の雨漏りやトイレの洋式化などに対応する、大規模改造工事のための設計業務委託を実施いたします。
 市立図書館につきましては、開館時間や開館日数の増加を図る等のサービス向上を目的として、指定管理者制度を導入いたします。

 続きまして、大綱の5つ目は、「安全で調和のとれた住みよい快適なまち」についてでございます。
 久喜駅周辺まちづくり推進事業につきましては、久喜駅東口周辺の久喜東1・2丁目における用途地域の見直し等に向けた調査や、準用河川中落堀川の活用に向けた検討のほか、吉羽地内における圏央道スマートインターチェンジの概略についての検討など、まちづくりを推進するにあたり基礎資料の作成を行ってまいります。
 空家等対策計画策定事業につきましては、空家等の適切な管理、活用、流通の促進を図るため、空家等対策計画の策定に向けた調査に取り組んでまいります。
 地域公共交通実証実験事業につきましては、市内の公共交通を総合的に検討するため、引き続きデマンドタクシーの実証実験を実施いたします。
 液状化対策推進事業につきましては、対策区域の地下水位等のモニタリングを行い、事業効果や影響について確認するとともに、道路の舗装本復旧工事や、家屋等の事後調査業務を実施いたします。
 総合防災訓練につきましては、オール久喜の方針で、メイン会場を設け各地区の交流を持ちつつ、雨天の場合も実施可能な訓練を行うものでございます。
 ゾーン30推進事業につきましては、生活道路における歩行者等の安全な通行を確保するため、自動車の走行を時速30キロメートル以下に規制する区域を、栗橋東2・3丁目地区の約18ヘクタールについて整備いたします。

 続きまして、大綱の6つ目は、「地域の産業が元気で、多彩な企業が集積する豊かなまち」についてでございます。
 本市の農産物について、ブランド化及び地産地消の推進を図るため、農産物のブランド認定を行い、広く周知し、認知してもらうことにより、消費者の信頼を得る取り組みを行ってまいります。
 合併10周年記念 プレミアム付商品券発行事業につきましては、消費喚起による地域経済の活性化を図るため、合併10周年を記念したプレミアム付商品券を発行いたします。
 勤労者をはじめとする市民の皆様の交流や、教養文化の向上と福祉の増進を図る場であります労働会館につきましては、空調設備の老朽化に伴いまして、改修のための設計業務委託を実施いたします。
 
 続きまして、大綱の7つ目は、「行財政を見直し、改革を進めるまち」についてでございます。
 戸籍事務事業につきましては、婚姻される方に本市への愛着を持っていただくとともに定住促進につなげるため、合併10周年を記念して、「らき☆すた」を活用したオリジナル婚姻届及び婚姻届受理証明書を作成いたします。
 また、旅券事務事業につきましては、合併10周年を記念して、オリジナルパスポートカバーを作成し、パスポートを受領する方に配布いたします。
 公共施設アセットマネジメント推進事業につきましては、各公共施設の状況を把握し、統廃合を含めた方針を定めるなど、今後の公共施設のあり方の方向性を決定し、アセットマネジメントの推進を図るため、個別施設計画の作成に着手いたします。
 東京理科大学跡地活用検討事業につきましては、当該跡地施設の活用に関して、実現性についての調査や課題の整理などを行ってまいります。
 連携協定活用事業につきましては、埼玉西武ラインオンズとの協定を生かして、市内の小学生とその保護者を対象とし、プロ野球の練習風景を間近に見学するなど、通常経験できない体験の場を創出するとともに試合や応援などを直に体験することにより、スポーツに親しむきっかけを創出いたします。

 以上、平成31年度の市政運営並びに予算編成の基本方針について申し上げました。

 本年は、4月30日に天皇陛下が御退位され、5月1日に皇太子殿下が御即位される歴史的な皇位の継承がございます。また改元が行われ、新しい元号となり、時代は「平成」のその先に向かっていくこととなります。
 私は、未来の久喜市も多くの人で賑わう、埼玉県東北部の中心となる都市として発展させてまいりたいとの考えのもと、平成31年度の市政運営に全力で取り組み、新たな時代に向かってまいりたいと考えております。

 結びに、議員各位をはじめ、市民の皆様の変わらぬご理解とご協力をお願い申し上げ、施政方針といたします。

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