久喜市

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平成23年度市政運営の基本方針

 本日、平成23年久喜市議会2月定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様にはご健勝にてご参会を賜り、平成23年度予算案をはじめとして当面する市政の重要課題につきまして、ご審議いただけますことに感謝申し上げます。
 それでは本定例会においてご審議いただきます諸議案の説明に先立ちまして、平成23年度の市政運営に関する基本的な考えを申し述べ、あわせて予算案の編成方針についてご説明申し上げます。

 

 我が国経済は今、2008年9月のリーマンショックに端を発した世界的な金融危機以降、本格的な回復の軌道に乗っておらず、昨年の欧州ギリシャの財政危機を要因とした急激な円高と株安はようやく落ち着きを見せましたが、いまだ慢性的なデフレが続いております。また、依然として失業率は高水準にあるなど、国民生活に密接に関連する雇用情勢も厳しく、円高、世界経済の動向等、下押し要因もあることから、景気回復への不透明感はますます増しております。
 一方、国政におきましては、経済対策と並んで地域主権改革を最重要政策課題の一つとして位置づけ、昨年6月に政府がまとめた「地域主権戦略大綱」においては、地方公共団体の事務事業についての義務付け・枠付けの見直し、市町村への権限移譲、ひも付き補助金の一括交付金化、地方税財源の充実確保などを盛り込み、すでに国と地方の協議の場の設置などの一部は地域主権関連3法案として国会に提出されましたが、いまだ成立の見通しが立っておりません。
 そして何よりも少子・高齢化、生産年齢人口の減少が進む中で、持続可能な社会保障整備とその財源確保の対応が遅れているため、国民の社会への閉塞感、将来への不安感はますます高まっております。
 特に地方はこれまで、地方税収の落ち込みや社会保障関係経費の増加に加え、十分な税源移譲がないままに権限移譲と大幅な地方交付税の削減がなされ、多くの自治体の財政は疲弊し、その体力は限界に近づいているかの様です。こうしたことから、政府においては、実効ある地域主権改革を速やかに実行し、十分な税財源移譲とともに、地域のことは地域住民が自らの判断と責任で決めることができる真の地域主権を進めていくことが強く求められているところであります。
 さらに政府は、例外なく関税を撤廃する環太平洋戦略的経済連携協定、いわゆるTPPへの参加のため、関係国との協議を開始すると表明しております。このことは、国の根幹に関わる問題であり、特に本市の農業に取りましても大きな影響が予想されますことから、その動向を注視してまいります。
 こうした情勢を踏まえつつ、本市といたしましても引き続き財政健全化に取り組むとともに、自主財源の確保に努め、より安定した行財政基盤の構築による自主・自立のまちづくりを目指したいと考えております。
 我が郷土が誇る偉人「本多静六博士」は、日本の公園の父と称される林学博士でありながらも、独自の蓄財投資法と生活哲学を実践して莫大な財産を築いた資産家としても著名であります。その処世訓は「勤倹貯蓄」とし、収入の4分の1は必ず貯蓄することと、不景気の時代には積極的な投資をするというものであります。この単純な原理原則にこそ、まさに現在のような厳しい経済状況下において学ぶべきものがあるのではないでしょうか。
 平成23年度からは、いよいよ新久喜市として初めて予算編成から執行までを行っていくこととなります。私は、久喜市が県東北部の拠点都市として持続可能な発展を図れるよう将来を見据えた堅実な財政運営を行うとともに、市民の皆様にお約束した「やさしさ・あんしん・かいてき」の3つの重点政策の各施策を最少の経費で最大の効果が挙げられるよう進めてまいります。
 まず、5年、10年先を展望した今後の久喜市の礎となる条例や計画を定めてまいります。具体的には、計画的な市政運営を図るために「久喜市総合振興計画」をはじめとした各分野の計画等の策定を進めるとともに、まちづくりを進めていく上での基本的ルールとなる自治基本条例を制定してまいります。
 また、市民の皆様が垣根のない一体感を感じられるまちづくりを進めることも重要であります。合併後において統一されていない住民サービス等につきましては、先の合併協議会において確認された調整方針に基づき、できるだけ速やかに調整が図られるよう進めてまいります。
 次に、重点政策の一つ目として、「子どもや高齢者にやさしいまちづくり」についてであります。学校施設は、子どもたちが一日の大半を過ごす学習や生活の場であり、災害時には地域住民の避難場所としての役割を果たすことから、小中学校施設の耐震化を引き続き計画的に進めてまいります。
 また、子育て中の親子が交流できる場や子育てを支え合う場を提供するため、地域子育て支援センター及びファミリー・サポート・センターの整備充実を図り、子育てしやすいまちづくりに取り組んでまいります。
 次に、二つ目の「安全・安心なまちづくり」についてであります。
 本市の医療体制は、4月に開院されます久喜総合病院や済生会栗橋病院、この2つの中核的病院のほか、多くの病院・診療所があり、医療環境の充実した地域となります。また、土屋小児病院につきましては小児科中核拠点病院として小児救急24時間365日体制を確保するための施設改修を行い、平成24年度中には、久喜中央3丁目地内に開院する予定となっております。こうした多くの医療機関がもつ専門性や特徴、特色を活用した役割分担のもとに医療連携を図るため、利根保健医療圏における埼玉県地域医療再生計画の取り組みを視野に入れながら、地域医療ネットワークの充実に努めてまいります。
 また、引き続き自主防災組織の育成に努め、防災力の高いまちづくりを目指してまいります。
 最後に、三つ目の「快適で活力のあるまちづくり」についてであります。
 今後激化が予想される地域間競争に本市が勝ち抜くための地域活性化施策に積極的に取り組んでまいります。現在、国土交通省により施工中の首都圏中央連絡自動車道いわゆる圏央道は、その姿・形がはっきりと確認できるようになり、本年には、久喜白岡ジャンクションから白岡菖蒲インターチェンジまでの3.3キロメートルについて供用開始の予定となりました。先日、日本を代表する企業の一つでありますキッコーマン株式会社が、清久工業団地周辺地区に新工場を建設するとの報道がございましたが、この圏央道の開通によりまして、本市の広域的な交通利便性が飛躍的に向上いたしますことから、産業基盤の整備とともに優良企業の誘致を促進し、雇用の場の創出と税収確保を図り、より活力ある地域づくりを進めてまいります。

 

平成23年度予算編成の基本方針

 続きまして、平成23年度の予算編成に当たっての基本方針について申し上げます。
 はじめに、国の予算についてであります。
 平成23年度一般会計予算案の規模は、92兆4,116億円、前年度比0.1%の増となっております。「成長、雇用を重視し新成長戦略を着実に実施」、「国民の生活を第一にマニフェストを着実に実施」、「財政規律の堅持」といった3つの柱を念頭に予算編成を行ったとしております。かねてから議論されておりました(仮称)地域自主戦略交付金いわゆる一括交付金が、まずは都道府県に交付されることになり、市町村分は平成24年度からとされました。
 また、子ども手当については、平成22年度限りとされていた地方負担が存続するということで、地方にとっては引き続き厳しい状況となっております。
 次に、地方財政についてであります。
 本年1月に国から示されました平成23年度の地方財政計画の総額は82兆5,200億円、前年度比0.5%の増でございまして、3年ぶりに前年度を上回る水準となっております。このうち、歳入に占める一般財源の比率は、前年度を1.6ポイント上回る64.6%、その額は59兆4,990億円とされており、一般財源総額は前年度を下回らないよう確保されたところであります。しかしながら、社会保障関係経費の大幅な自然増が依然として見込まれることに加えて、地方財政の借入金残高が平成23年度末で200兆円程度、そのうち交付税特別会計借入金残高が33兆5,000億円程度と見込まれるなど、地方財政を取り巻く環境は、いまだ予断を許さない状況と言わざるを得ません。
 そのような中、地方交付税の総額は17兆3,734億円、前年度比2.8%の増となっております。また、国においては、円高や海外経済の減速懸念等による景気の下振れリスクに機動的に対応するため、昨年9月10日に「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」を決定し、「経済危機対応・地域活性化予備費」、「補正予算」、「平成23年度予算」の3段階での経済対策を実施するとしております。昨年11月に成立した補正予算では、子宮頸がん等ワクチン接種の促進、地域の実情に応じて地域の目線に立ったきめ細かな事業に活用できる地域活性化交付金、小中学校の耐震化推進、地方交付税の増額などが計上されました。本市においても本定例会で提案する一般会計4号補正予算と平成23年度当初予算を一体的に執行していくことで、切れ目ない予算執行を行ってまいります。

 

予算概要

 それでは、本市の平成23年度当初予算案の概要について申し上げます。
 平成23年度当初予算案は、本市にとって本格的に編成しました初めての予算でございます。引き続き厳しい財政状況にあるものの、子育て支援事業、安全・安心に関する事業、交通の要衝であるという特性を活かした都市基盤整備事業など、将来の発展に必要な事業につきまして、積極的に取り組むことを基本として予算編成に臨んだところであります。
 予算規模でありますが、一般会計につきましては、生活保護費、子ども医療費などの社会保障経費が増額となっていますが、久喜総合病院への補助金が平成22年度で終了すること、4号補正予算において、国の補正予算を有効に活用することなどで、429億7,000万円、前年度比7億3,500万円、1.7%の減であります。
 また国民健康保険特別会計ほか、6つの特別会計は合計で299億8,627万1千円、前年度比7.7%の増、企業会計であります水道事業会計は、46億6,416万円、前年度比6.8%の減であります。
 次に、一般会計の歳入の状況について申し上げます。
 市税につきましては、固定資産税の増加が見込まれるものの、個人、法人市民税とも減額を見込んでいることにより、195億6,218万9千円、前年度比5.4%の減としております。また、地方交付税につきましては、地方財政計画における交付税増額確保、及び市税の減額見込み等をもとに算定した結果、56億1,126万7千円、前年度比44.5%の増を見込んだところでございます。市債につきましては、久喜総合病院への補助金が終了したことにより、借換債を含めて41億937万4千円、前年度比26.5%の減となり、歳入に占める市債の割合であります市債依存度は9.6%となっております。
 また、財政調整基金を前年度と比べて1億5,871万1千円増の14億9,468万1千円取り崩すこととしたほか、福祉基金を2,213万円取り崩すなど、既存基金の有効活用を行います。

 

歳出における重点施策


 続きまして、歳出における重点施策につきまして、新規及び拡充事業を中心に、新市基本計画の体系ごとに、順次ご説明申し上げます。
 まず、1つ目として、「自然とふれあえる、環境に優しいまち」であります。
 昨年の夏は例年以上に猛暑の日が続き、市内でも埼玉生まれのブランド米「彩のかがやき」の高温障害が発生するなど、地球温暖化は深刻な状況であると感じています。そのような中、環境基本計画の策定に着手し、環境問題に積極的に取り組んでまいります。
 市民の環境への関心は年々高まってきております。それを受けて、住宅用太陽光発電システム設置費補助金の予算額を増額して、1人でも多くの市民の皆様の要望に応えられるようにしてまいります。
 また、各総合支所におきましては、庁舎内の一部にLED照明を設置し、環境負荷の軽減を図ってまいります。さらに、本庁舎及び各総合支所などで緑のカーテンを設置し、引き続き採取した種を市民まつり等で配布し、市民の皆様の取り組みを支援してまいります。
 2つ目は、「子どもから高齢者まで、誰もが健康で安心して暮らせるまち」であります。
 少子高齢化が全国的に進んでおり、本市も例外ではなく、本格的な高齢者社会に向けて、生涯にわたって健康で安心して暮らせるまちづくりをしていかなければなりません。本年4月1日には久喜総合病院が、地域医療支援病院を目指して開院し、済生会栗橋病院では、県内8番目となる救命救急センターへの移行を前提として、地域救急センターが整備される予定です。市民の安心を確保するという観点から、済生会栗橋病院の医療設備整備に対して助成してまいります。
 障害者自立支援法に基づく新体系サービス移行に伴い、施設が狭小で老朽化している障害者デイケア施設「趣味の家」を、平成24年度の移行時期に間に合うように新たに建て直します。
 また、市内の公共施設等に設置されている身障者用駐車場の適正な利用を図るため、パーキングパーミット交付事業を新たに開始し、対象者に身障者用駐車場利用証を交付するとともに、民間の協力施設と身障者用駐車場の利用に係る協定を締結し、事業の促進に努めてまいります。
 3つ目は、「心豊かな人材を育み、郷土の歴史文化を大切にするまち」であります。
 次代を担う人材を育成するためには、教育内容の充実を図るとともに、教育環境の整備を進めることが重要であります。
 そのうち、平成23年度の学校耐震補強整備事業といたしましては、当初予算で本町小学校屋内運動場の耐震補強工事の設計を行うとともに、国の補正予算を活用し、先の11月定例会で議決いただきました青毛小学校屋内運動場耐震補強工事とあわせて、4号補正予算で江面第一小学校、久喜東中学校、栗橋東中学校及び栗橋西中学校の屋内運動場耐震補強工事を 平成22年度繰越事業として実施してまいります。
 市民の皆様の多種多様な学習意欲に応えるため、国の補正予算で交付された地域活性化交付金を活用し、4号補正予算と当初予算をあわせて、図書館資料の整備充実に努めてまいります。
 放課後こども教室「ゆうゆうプラザ」につきましては、市内全ての小学校への開設を視野に入れ、事業を充実してまいります。
 また、郷土の豊かな歴史資源や文化財の保護及び活用に努めるほか、遺跡出土品の整理などを行うとともに、本市が誇る郷土の偉人を顕彰する事業として特別企画展を実施します。
 4つ目は、「安全で調和のとれた住みよい快適なまち」であります。
 本年3月末に、県事業であります懸案の都市計画道路杉戸久喜線の立体交差が開通するなど、ますます交通の利便性が向上することになります。そのような特性を活かしていくため、圏央道側道整備など、新市の一体性を促す幹線道路を整備していくとともに、生活道路の補修整備を推進していくことで、市内の円滑な移動の実現を図ってまいります。
 市内には日本一の流域面積を誇る利根川が流れております。現在国が利根川堤防強化事業を実施しており、引き続き本市も国に協力して事業を推進していきます。毎年8月に関係地区の持ち回りで実施している利根川治水同盟治水大会を、平成23年度は本市で開催することとなっており、より一層治水対策の充実を図り、関係機関との連携を進めてまいります。
 また、防犯体制の強化として防犯灯の設置の充実を図るとともに、防犯灯の維持管理費については、全地区とも市が負担することといたします。
 5つ目は、「地域の産業が元気で、多彩な企業が集積する豊かなまち」であります。
 平成23年度から清久工業団地周辺地区の整備が本格的にスタートします。企業誘致条例を活用して積極的に優良企業を誘致し、市民の雇用の確保に努めるとともに、安定的な税収確保を図ってまいります。
 市民まつりをはじめ、各地区で実施している祭りに対して補助し、久喜市民としての一体感を引き続き醸成してまいります。
 また、現在商店街団体に対して補助している街路灯電気料の補助率を30%から50%に引き上げることで、商店街の活性化を促進してまいります。
 6つ目は、「市民が参加し、地域コミュニティ豊かなまち」であります。
 平成23年度中に策定を予定しております自治基本条例は、自治基本条例策定審議会やワークショップ等を通じて、市民の皆様の意見を反映して進めてまいります。また、新市の新たな都市宣言についても、幅広く市民の皆様の意見を伺いながら検討してまいります。
 平成22年度には市民アンケートを実施して市章を制定いたしましたが、平成23年度には市の花、木、歌の制定を行います。
 7つ目は、「行財政を見直し、改革を進めるまち」であります。
 引き続き、新市基本計画を着実に実行していくとともに、新市の総合振興計画及び行政改革大綱の策定を進めてまいります。
 また、常に安定的な財政運営を念頭に置き、合併効果を最大限に活用し、組織の合理化や業務改善を行い、財政の健全化に努めてまいります。

おわりに

 以上、平成23年度の市政運営並びに予算編成の基本方針について申し上げました。
 平成23年度は、合併2年目を迎え、従来からの懸案事業が完成、または完成につながる大きな進展が期待される年であり、さらに将来の望ましい久喜市を考えた時、その基礎づくりのために極めて重要な一年であると認識しております。
 私は、久喜市の将来像であります「豊かな未来を創造する個性輝く文化田園都市」の創造のために、今後も市民の皆様の声に真摯に向き合い、「至誠天に通ず」の気概を持ちながら、職員の先頭に立ち新しい久喜市の歴史を作っていくという信念のもと、謙虚に市政執行をしてまいる決意であります。
 どうか議員各位をはじめ、市民の皆様の変わらぬご理解とご協力をお願い申し上げる次第であります。

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